Bicycle オーバーホール
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シマノ・XTR・リヤディレイラー/B軸
090726
更新20100325


エンドは折れて、RDが食い込んで曲がってます

エンド側から見ています。
喰い込んだエンドをようやく外したとこ
エンドでえぐれた傷が痛々しい。
 シマノのMTBコンポーネントのフラッグシップモデルXTR。M952。
 今回は枝を巻き込んだまま踏み込んでエンドを破壊してしまったトラブル。
XTR RD(リヤ・ディレイラー)も跳ね上げられ、リプレースメントエンドにガッチリ食込んで動かなくなってしまいました。
 よく見ると角度調節のBテンションボルトがモゲて、メネジ部もチギレていました(><)
本体の削れた部分はエンドに食い込んで、えぐれた個所です。かなり痛々しいです。
はまり込んでいて外すのがけっこうたいへんだったです。

 この部分の交換はアッシー交換なのでグリスアップしてしまいましょう。

 他のシマノのディレイラーでもだいたい同じ手順です。


 エンドの修理はこちら

 
 XTR・RD-M952・B軸補修キット
Bテンションボルト関連のスモールパーツは全てあります。

 スプリング押さえ・ダストカバー・スナップCリング・Oリング・スプリング・B軸(Oリング付き)
 B軸は裏側でスナップCリングで止まっているだけです。
 ドライバーなどで押し出します。
勢いよく飛び出ることもあるので注意!
それに先立って、押し出される溝の位置を合わせておきましょう。

 スプリング押さえはテンションが掛かっているので、これも飛ばさないように注意しながら外します。ウエスを被せてやった方がいいかも。
少しひねっただけで外れます。

 内側にプラスチックのダストカバーがあるので、なくさないように。
向きもチェックしてください。
凸が外側で本体にはまります。
 スプリングは手で外せます。

 B軸は裏側から押し出すと外れます。
軸にOリングが入っているのでやや固めです。

 写真上段は新しいスプリングとOリング。

 本体外側には別のOリングも入っています。
これを外して、あとはクリーニング。
 外したBボルトです。
よーく見て下さい。
ネジ部が若干左に曲がってました(><)
 かなりな衝撃だったのですね。
 XTRはOリングを多用したシール性の良いメカです。B軸まわりでも2箇所使っています。
 OリングというとOリンググリスがベストと思い浮かびますが、それはシール性は優れているのですが、潤滑性に劣るので、ここではゴムへの攻撃性のないスーパー・リューブグリスを使いました。

 Oリング・B軸・スプリング・シール・スプリング押さえに塗布しておきます。
 組立ては外側の大きなOリングから。
次にB軸を外側から挿入します。
スプリングはエンド側から入れます。
 スプリングの向きに注意!
末端が外周よりも低くなった側がエンド側にきます。

 また、スプリングは同じXTR/M-952でもロットによって違う物を使います。
 下の欄外を参照ください。
 ダストカバーとスプリング押さえを組み付け。
ダストカバーの向きに注意してください。
凸部が本体と噛み合います。

 スプリング押さえをはめ込んで、スナップCリングでロックするまでが山場!苦労するところです。

 スプリング押さえは、スプリングに抗して反時計回りに回転させ、本体のストッパーに引っ掛けます(写真ピンクの点を合わせます)。
 スナップCリングでロックして完成!
Cリングは回転させ、抜けにくい位置にしてあります。
 シンプルなデザインのXTR・M952はファンも多いのではないでしょうか。
 今回のオーナー様も大事に永く使いたいとのこと。
復活できてよかったです。
めでたし!めでたし!
 


 エンドの修理はこちら
使用工具

・5mmアーレンキー
・Oリング外しピック
・マイナス・ドライバー


・グリス



再び!同じトラブル!
20100325

 同じオーナーの方から、半年後にまた修理依頼が入りました(><)
同じトラブル。エンドはチギレていませんが、かなり曲がってます。エンド取り付けボルトも歪んでいました。

 ディレイラーのスプリング押さえのアジャストビスは半分チギれ、そのベース部もチギれかかっています。
 上とまったく同じ修理です。
(削れた箇所にも新たな傷があります(><))


 おまけにプーリーケージも曲げてしまいました。交換です。
そちらは別ページを参照してください。
   エンドの修理はこちら
 左がダメージを受けたパーツ。
やはり軸のネジ部も曲がってますね。



XTR・M952B軸スプリング注意報!
 同じXTR/M-952でもロットでB軸スプリングの長さが異なります。
 Aは末端が同一線上です。Bは約14mmずれています。
 見分け方。プーリーケージのブレート内側に刻印があります。それがキーです。

 一文字目がW、X、Y、Z、A の場合はスプリングA

 一文字目がBで、かつ2文字目が、A、B、C、D、E、F、G、Hの場合はプリングA

 一文字目がBで、かつ2文字目が、I、J、K、Lの場合はスプリングB

 一文字目がC、D、の場合はスプリングB

 今回は『YI 』なのでスプリングAです。


 プーリーケージを交換した人は要注意です。
中古売買の時にも履歴に気をつけましょう。


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