Bicycle オーバーホール・リペア
by ZEN

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シマノ・XTR・リヤディレイラー/プーリーケージ周辺
20100325


 枝の巻き込みトラブルでリヤディレイラーのプーリーケージが歪んだり破損することもあります。
 今回のXTR・M-952修理依頼の方も、何度か曲げてしまい、修正して使っていました。
 しかしB軸周りのトラブルと併発したので、いよいよケージ自体の交換となりました。

 ケージプレート交換=プレート軸脱着、なので、プレート軸周りのオーバーホールも行ないます。

 また、プーリーもかなり磨り減っていたので、カスタムパーツの夢屋の物と交換しました。



 B軸周りのオーバーホールはこちら
 プーリーケージプレートは左右別売です。

夢屋のプーリーは裏表、上下があります。
 プレート交換の場合、外側プレートと軸は一体となっているので図J、本体から外さないとなりません。
 XTRの場合、実はプレート軸は二重構造となっています。図のボルトHが中に入っています。

 ケージを3mmアーレンキー分解して、内側からHのボルトを5mmアーレンキーで外します。 これはネジロックで固着されているので、ちょっと力がいります。


 XTR以外のRDはこの部分は二重にはなっていないので、本体外側のロックネジを抜きさって軸を外します。

 Hのボルトは中空軸をはさんでカラーがはめ込まれて固定されています。
これはプライヤーで挟んで抜きます。
カラーには向きがあるので忘れないように。

 ボルトの分解図にある2枚のパーツはOリングと、紙より薄いワッシャーです。
なくさないように!

 このボルトアッシーは2010年3月現在シマノ・スモールパーツリストからは除外されています。もう手に入らないので大事に使いましょう。
 本体からはスプリングとパッキンを外せば分解は完了。
 洗浄して、グリスアップして、組立てます。

 Hのボルトはネジ部以外にグリスを塗布。
プレートの中空シャフトに通して、カラーを嵌めます。
 ネジはネジロックを塗り、緩まないようにします。


 スプリング、中空シャフトにもグリスを塗ります。

 スプリングは長い末端がボディ側です。
プレートにはスプリングは上の穴がデフォルトです。

 プーリーケージプレートを装着します。
 Hのボルトでまず固定。
 回り止めのストッパービスKは矢印の位置に来なくてはなりません。
 プレートをボルトで固定してから、ビスKを一旦抜き、プーリーケージを回転させ、ビスを戻します。
 プーリーケージを組み立てれば完了です。
夢屋のプーリーは適合リストにはないですが、XTR・M-952にも適合します。
 回転矢印が刻印されている方が外側にきます。
 上下のプーリーの区別もあるので注意。


 続いて、B軸周りのリペアです。
B軸周りのオーバーホールはこちら
 今回のシマノXTR、すでに10年くらい前の製品です。
 他にB軸&エンド交換2度などオーナーさんはけっこうハードユーザーです。しかしパンタ部にガタはなく、リぺーアーすればちゃんと動きます。さすがにいい部品はもちが違いますね。オーバーホールしていて、精度の良さや耐久性をツクヅク感じました。

 無くなった部品もありますが、スモールパーツが供給されているのはありがたいことです。


 エンドも変形させていたので、交換しました。
こちら
使用工具

・3mmアーレンキー
・5mmアーレンキー
・+ドライバー
・プライヤー

・グリス
・ネジロック

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