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油圧ディスクブレーキ・ホースのセッティング

HAYES・STROKER(ストローカー)
100218

 油圧ディスクブレーキ・ホース末端処理は通常のワイヤー式ブレーキのように、簡単にカットするわけにはいきません。
 ホースのカットは自体も細心の注意が必要です。
 物によっては、ホースが補強されています。   ステンレスメッシュだったり、ケブラー繊維だったりします。  使うカッターを間違えると悲惨な結果に。

    ホース末端部の接合処理もいいかげんにはできません。

 ホース接合後はオイル(フルード)を充填して気泡を抜くブリーディングが必要となります。

 今回はHAYES・STROKERがモデルです。


 まずは、ホース末端部の構造を理解しておくことが大切です。

 バンジョーがボルトで止められているキャリパー側。

今回のモデルはバンジョー末端の部分のカットはご法度で、レバー側の方をカットし
ます。
 レバー側接合部の構造

 ホース右端の真鍮製のインサート/コンブレッションブッシング、ネジの切ってある
ホースナット、左端のノーズコーンはただのカバーです。
 右のインサート/コンブレッションブッシングはかなり重要なパーツです。
カップのような構造、ホース内にインサートされる中空部を備えています。
 ホースはカップの内部最奥まできっちり入れておかないと危険です。

 左はホースナット
 ホースの入ったインサート/コンブレッションブッシングはレバー側接合部内部では行き止まりの箇所に止まってます。

 ホースナットを締めこむと、それがインサート/コンブレッションブッシングを飲み込むように乗り上げていって、柔らかい真鍮を変形させて、ホースに食込ませて固定する仕組みになっています。

 写真右は新品、左は使用後です。
キノコ状にかなり変形しているのがわかります。

 なので、一度使用したブッシングの再利用はできません。
変形が少なくとも、ホース抜けやフルード漏れの可能性があります。
 ホースのカット。
今回、HAYESのケブラー補強ホースです。
 ステンレスメッシュ製はカッターでスパっとできますが、防弾チョッキにも使われているケブラー繊維は、スイス製の良く切れるカッターでも、うまく切れなくて、ザクザクな断面になってしまいます(左)。

 カッターナイフで切るのがけっこう上手くいきます(右)。
 組み付けは、ホースに順にノーズコーン、ホースナットを通します。
そして、インサート/コンブレッションブッシングにホースを挿入します。きっちり奥まで入れてください(4枚上の写真)。

 組みつけのときスムースに変形させるよう、うすくグリスを塗ります(ブッシング外
側のみ)。

 ホースセットをマスターシリンダーの奥までセットして、ホースナットを締めこみます。

 ここは8mmオープンエンドスパナを使用します。
トルクは7.8Nm士5 ですが、通常のトルクレンチは使えませんね。
 あらかじめ、ネジがどのくらいの寸法か測っておくのも手です。

 ホースが確実にマスターシリンダーに固定されてるのを確認して、ノーズコーンを被せれば、ホースのセッティングは終了。
後はブリーディングです。


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