Let’s go to
the BONIN ISLANDS
小笠原へ行こう!
シーカヤッキングはholo holo
ZEN
小笠原シ−カヤックツーリング&ホェ−ルウォッチング
2002 Report
2002/4/2〜7
父島に着く手前から小笠原丸船上から、3頭クジラを見られて、これは!と思ったのでしたが、 今回、クジラ・イルカは不作でした。 しかしそんなことまったく話題にならないくらいの盛り上がりでした。 小笠原はクジラ・イルカだけなのではないってことを強く感じたツアーでした。 でも、我々みたいなカヤックツアーではないフツーの観光客はそのような視点をとかく忘れがちになりやすいんでしょうね。 この空気感!そんな島にいるだけで! |
モモタマナの木 |
小笠原初日、すんごく天気は良くて、海はベタ凪! いつものように、初日は島内巡りと、軽く山歩き(?)かと思っていた。 ところが、現地ガイドの金子さん、「明日から海がどうなるかわからないので、今日さっそく漕ぎましょう!」と告げられた。 96年から毎年来ていて、今まで、多少天気が悪かろうが、多少海が荒れていようが、島のどこかでなんとか漕いで楽しんできた。 それが・・・・・!! こんなことは初めて! よっぽど!・・・・ でも、それをウレいたって、クヨクヨしたって、天候・海況を変えられるわけではなし。 明日は明日の風が吹くし、予報だって外れるかもしれない! 出かけてしまったら、ドシャブリの雨の朝でも、「いい天気だね!」と笑顔で挨拶して、フィールドに出ていき、その場を楽しむ。クヨクヨは無しで楽しむしかない! そんなZEN流holoholoツーリングはもう始まっているのだ。 行くっきゃないのだ! とか言っても、緊迫感は皆無で、小笠原名物の島寿司を仕入れて、のんびり扇浦のビーチで昼食。 食後のデザートにモモタマナの実アミヤを探し出し、大試食会が始まってしまった。拾っては割って、食べて、拾っては割って食べて・・・・・・! その後もみんなはあたりをビーチコ−ミングして、だーれも、早く漕ぎ出そうよーってせかす者はいない。 参加者は全員シーカヤック所持者で生粋のカヤッカ−である。うーん、後になって考えても不思議だ−。 全員カヤッカ−からアイランダ−になったんだね。 いいぞ!いいぞ! |
お気に入りのアミヤを持ったサッチャン |
金子さんとaikoさん |
タカさんとサッチャン |
野羊山(やぎゅうさん)直下の磯場に上がる。 大潮でとても引いているからできること。ここは人が来れない、カヤッカーしか上がれない磯なので、生き物が濃い! |
カニと戯れる林さん |
太平洋の荒波でできたポットホールとその中で磨かれた巨大な玉! どうやって持って帰ろうかと思案するaikoさん。 |
2日目 南西風がガンガン吹きまくっていました。朝食まえに登った三日月山ウェザーステーションから偵察した海は、白ウサギだらけでとても荒れていました。 この風ではシーカヤックを漕ぎだしての南島ツーリングは無理だし、島の西岸はモロにウネリが入っている。残るは北部の兄島瀬戸。そこなら南西からの波は避けられます。 |
兄島瀬戸には、このような洞窟がいっぱい! |
これが兄島瀬戸の潮の流れ、目で見て川の瀬のようになっているのがわかる。 |
兄島瀬戸はとんでもなく潮流の早い所! せまいところでは父島と兄島の間の幅が400m。 流速は早い時で時速にすると8.5km/hくらい。 目で見てわかるくらいの流れがあり、川の瀬のように、一定のところで止まっている波があります。 潮波!タイダルレースとかタイダルラピッドとか言われているものです。 川の中上流くらいの流速である。カヤックで漕ぎだしてみると、あっという間に流れに乗ってドンドン進む。潮波が立ってるところに突っ込み、ワシワシ漕ぐ快感は他ではめったに味わえない。 小さい岬の裏はエディになっている。流れが反流となり、軽くウズを巻く。そしてラフな水面の間に油を流したようなヌメ−っとした水面のエリアがある。下から流れが沸き出ているボイルのようだ。 |
釣浜は静かなビーチ 潜ったり、ウクレレ弾いたりとノンビリすごす。 |
サッチャンに見とれるイソヒヨドリ (じつはバナナが欲しい) |
美しい声で歌うイソヒヨドリ けっこう人なつこいですが、野鳥にエサをやっては絶対にいけません! |
セツのウクレレに合わせて歌うイソヒヨドリ じつはなにか欲しい。 (撮影:タカさん) |
釣浜 |
行きは潮に乗って快適だったけど、釣浜からの帰りは逆潮!しかも向かい風!たまにパドルがあおられるくらい吹きつけられました。 コースは岸ベタで遡る。流れの中央が流速が速く、岸近くは摩擦と反流で遅くなっている。 しかし水面はラフだ。 かなり気合を入れないと、漕いでも漕いでも、ほとんど止まっているルームランナー状態の所がありました。 狭い海峡を風が吹きぬけているので、パドリングピッチがのろくなれば、逆に押し流されます! さすがにその時は写真など撮っていられなかったです。 ガイドの金子さんは、朝のミーティングでコースを悩んでいた。 兄島瀬戸。 帰りに遡れなくて押し戻されたら、カヤックを釣浜に置いて、山道を歩いて帰ろう。そんな覚悟で来た難所だった。 タンデムの乗員組み合わせを前日と変更して、力の平均化をはかった。写真班のセツは林女史と組んでいたが、今回はaikoさんと組んだ。あの向かい風の中で、パドリングペースが落ちなかったのはお見事! 彼女はグングン上達しているね。 林さんはタカさんと、サッチャンは金子さんと、といった組合せだった。 後で、金子さんは、あの潮流と向かい風で全員漕ぎ登れると思わなかった、とボソっと言っていた。 みんなよくがんばりました。 |
それにしても、ホエールウオッチング協会がやってくれるクジラのナイトレクチャーに参加する一般の人は、毎年少ないですねー。 ホエールウオッチングに来島してる人と、ナイトレクチャーに参加する人の割合が大きすぎる。 クジラのまじめな勉強会には興味ないのかしらねえ? これを受講してから見るホンモノはまた、見方が少し変わると思うのですが。 これに参加する方は、よりディープに小笠原を味わおうという人なんですね。 レクチャーしてくれる森博士は気さくな方で、ファンも多いようですねー。 父島の町で自転車乗ってる森先生とバッタリあって、 「こんにちはー! 今晩行きますヨー!」 と挨拶したら、そのやり取りを聞いていたタカさん、 「飲み屋のマスターかと思った!」…だそうです(^^;) 先生ゴメン!(^^;) みなさん、クジラ・イルカの質問をたくさん抱えて参加しましょうね。 そうそう、aikoさんがさかんに、クジラのオス・メスに関することを聞いていましたねー、フフ(^^) |
夜の森探検 画面中央に光るのがオガサワラオオコオモリの目! フレーツバットです。 実のある樹林の中でガサガサやってます。 巨体が飛ぶ姿は恐ろしげです。一眼レフと大きなストロボがないと撮影はなかなか難しいですね。 |
長い旅なので、夜は仕事のタカさん 携帯につなぐ小さなファックスでやり取りしてた。 飲んでばかりもいられません。 ごくろうさまです。 |
3日目 予定ではサンダーバード作戦でホエールウオッチングでしたが、船を出せないほど荒れていたので、トレッキングに変更です。 タコノキのジャングルで |
太平洋戦争中のトーチカを探険します。 いつのまにか人数が増えていそうで、コワイとこです。 コペペビーチ〜小港間のトーチカ跡 |
みんな何を楽しそうに見ているのでしょう? 海に浮かんで交尾しているウミガメでした。 |
アノールトカゲ |
4日目 ボートでホエールウオッチング、遠くに見ました。シュノーケリングの楽しみました。 |
二見港にあるザトウクジラのモニュメントは記念撮影にはもってこいのとこ。 クジラにまた来るよと告げて島を離れました。 |
参加者のコメントを頂きました
実のある木にはとにかく登るaikoさん |
from aikoさん 時間をかけて得することを味わう 知らない物を見る。 知らない音を聴く。 記憶をたどり、何かを思い出す。 自分の五感だけを頼りに歩き漂う。 自分の持てる物を以って、足りるとする。 そんな生き方を望みます。 物もそうだし、情報も、あらゆる物、事が過多だから。 じっつに楽しい旅でした。人がなかなか見れないものをたくさん見ました。 感動の連続でした。ガイドさんに「明日は今日より楽しいですか?」とたずねた時のガイド金子さんの笑顔がその答え。 1日目よりも2日目と盛り上がり、鯨を見てくるのを忘れてしまいました。 何を期待するではなく、ただ日程が取れたと言うことで参加を決めました。 島という独特な社会がそうするのか、メンバーの個性がそうするのか、島での時間は本州にいる時とは、全く違う時間の流れがある。 カメラを持って行ったけど、小笠原の写真は一枚も撮りませんでした。 小笠原を思い出す時は、目を閉じることにいたします。 私の心に焼きついた映像を、音を、手の感覚を、思い出します。 多分、それが私に消化できた情報でしょうから。 でも、それらはまだかなりフレッシュで、目を閉じても、その目には、 溶岩の岩や岸壁、したたる緑の森、 シャコ貝のあざやかなムラサキ、 光る水面、サラサラした砂、海から吹き上げてくる展望台での風、 イソヒヨドリの声、タコの実の甘くすえたニオイ、 海水の冷たさ、etc.蘇ります。 いつも思うのだが、島というのは独特の「味」と言うか「匂い」と言うのがある。 そして私は、それが好きだ。 今回はクジラを見られなくて残念でした。 が、私はむしろ、面白いものや事が沢山あって、クジラを見忘れてしまった感じです。 クジラを見られなかった分、むしろ、貪欲なまでに色々なものを見ました。 大コオモリ、大ウナギ、アノ−ルトカゲ、グリーンペペ、山の山羊、アオブダイにキイロハギ、ウミガメ、モモタマナ、ビーデビーデ、ハカラメ、etc.それらたくさんのものを、一つ一つ大事に見、楽しむことが出来たように思います。 スケジュールもあるんだかないんだか、ひたすら浜で巨大黒ナマコの捕獲に熱中したり、寝そべってチョコの実やアミヤを食べたり、石ころを選別したり、生活に直結しないことに夢中になる。 これは何より贅沢なこと。 どんなに騒いでも週に1便の船以外の交通手段はなく、ある意味閉鎖された社会。 ちいさな集落の中では、(私も現在小さな農村の集落に在住)気が合おうと合うまいと共に生きる覚悟が必要で、島の人たちを見るとそんな人間関係が伺える。 都会では、気が合わなければ、その人の存在を黙殺してしまえる。 島ではそんなことしてたら生きては行けなくなる。 そんな空気にあたるからだろうか、私たちもお互いの存在を認める覚悟ができるからだろうか、心を許し合い色々なこと話したりしました。 信頼し合える友を得るということは、なかなか難しいのだけれど、そんなことも自然とできてしまう、そういう所でした。 この言葉に表現しきれない「島での時間の流れ」、 これは行ってみたものでないとわからないのでしょうね。 また、チャンスがあれば行きます。 ありがとう |
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from setsu 今日よりも明日を楽しくするのは自分たち自身なんだよ。 そして自分達はそうしていた。 足があるのに歩かなければ、何も見えてこない。 小笠原にただ行っただけで、ボートに乗ってるだけでは見えているものは限られているでしょう。 見せられるものをただ見に行くのは観光旅行だけれど、自分の力で発見しに行くのが旅なんだよ。 そこに、自転車やカヌーでいく旅の醍醐味があるんだね。 目的地の点と点を線で結ぶだけの旅行ではなく、点の連続が線になっている旅がしたい! そんな明日を求めていくから、漕ぐのです。 金子さんの笑顔にはそんなことも含まれていたのでしょう。 一応のスケジュールはあるのだけれど、 島での行動は、その時の天候・海況しだいだからねえ。 ほんとうにその時の風まかせ! 島の自然まかせなんだねえ。 それが『島の時間』のキーワードなのではないでしょうか? 島はそれが一つの完結した世界になっているんだよね。隣り合った島でも、まったく違っていたりする。そんな島の味が面白くて、自転車時代にも、よく島巡りをしましたよ。 自然もそうだけど、人文的風俗的にもそれぞれ独自の味があるよね。 「島での時間の流れ」をよりディープに味わうのに、もうワンクルー残ってみたいものですねー。 んー、でも13日間! 残れた人はうらやましいですねー。 老後の楽しみにとっておきましょうか?(^^;) 機会があったらまた行きましょう〜。 |
from サッチャン 小笠原では大変お世話になりました。 楽しくて楽しくて、笑ってばかりの6日間でした。 クジラにもイルカにも会えなかったけど、そんなことちっともかまわないくらい満足して帰ってきました。 あんなに楽しく過ごせたのも、みなさんと一緒に行けたからです。 ほんとにほんとに、ありがとうございました! |
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from setsu そうそう、最初はクジラ・イルカを目当てで行くのだけれど、 それを越えるモロモロノ存在は大きいよね。 なにか、主役が留守でも、名脇役たちだけで立派に演じられた劇!って感じだよね! 南の島にいくとねー、みんな、自分の自然な姿がでてくるんだよ。自然体だな。 また行きましょう〜。 |
シーカヤッキングはholo holo
ZEN
Photo by 薛 雅春(せつ まさはる:ZEN代表)