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カンパニョーロ11速チェーン
20100408


 フリーの多段化は目を見張るものがあります。3速→5速→6・7・8・9・10速→11速!
それに伴い、チェーンの幅はどんどん狭くなっています。 そうなるとチェーンを構成するパーツのピンの掛かり具合もかなりシビアになってきます。
 セットアップのノウハウも昔は無かったことが出てきます。
10速になって、つなぐチェーンの向きが指定され、カンパ11速になって、つなぐピンをかしめてロックさせる工程が増えました。

 使用するチェーン・ツールも特殊なカンパ純正の専用ツールUT-CN300が必要です。



カンパニョ−ロ純正チェーンツールUT-CN300
カンパ純正のUT-CN300には従来のチェーンツールと違った2つの機能があります。
・位置決めロック
・リベッター機能


・位置決めロック
 リング状のカンヌキピンによって、チェーンを切る時、コネクティングピンを入れる時、ピンをかしめる時、位置がずれてピンが斜めにならないように位置を確実にロックさせます。


・リベッター機能
 薄いチェーンへのピンの固定を確実にするため。 
 トングをクローザーモードにして、コネクティングピンが動かないようにして、ピンの頭をかしめます。



 カンパの純正チェーンツールはかなり高価です。 他社で使える物はないかとチェックしましたが、2010年4月段階では、パーク・ツールがリリースした物があります。ただし、機構はカンパのパテントで守られているため、ロック機構はない11速チェーンツールCT-4.2とチェーンリベッターCT-11の二本の工具が必要となります(2本で2万円をわずかに超えます。)



チェーン長の決め方
 チェーンの方向に注意。
タイラップとラベルの付いたアウターリンクがチェーンリング下側に来ます。

 前後ギヤを最小にチェーンをかけ(後変速機が最もたるみを取る状態)、 上下プーリーの間のチェーンの下端から、下側チェーンの上端(図のH)距離が、8〜15mmであること。



 ただし、ギヤの組合わせやチェーンスティ長により、この数値で収まらない場合があります。
 その場合は、前後ギヤを最大に掛けて、変速機のプーリーケージが伸びきらない長さにしてあげます。


チェーンのカット
 チェーンの長さを決めたら、タイラップが付いたリンクと反対側の、余分なリンクを切断します。



 インナーリンクが端になるように、工具にセットします。
 カンヌキピンZで位置を固定させます。

 もちろんリベッター機能は解除の、トングXはオープンモードです。

 工具のハンドルを回し、接続ピンをリンクの穴から完全に押し出します。


チェーンのジョイント
 チェーンをアウターxトップにセットし、チェーンリング下端で、リンクを接続します。

 インナーリンクをアウターリンクに差込み、自転車の左側から右に向けて、コネクトピンを挿入します。(BBの左方向から)



 BB左方向から押出すように工具をチェーンにセットします。
 まだトングはオープンポジションです。
 
 カンヌキピンで位置を固定させます。

 工具のハンドルを回しにくい位置ですが、最後のロックを表側からやるためです。

 工具のポイント先端が、コネクトピンの中心に位置するのを確認して、ハンドルを回して、ピンを挿入していきます。

 ポイント先端の直線精度は流石です。
ポイントの工具内部末端にはボールが内蔵されています。う〜ん、やっぱりカンパ!

 チェーンの内側に0.1mmだけコネクトピンの頭が出た状態にしておきます。  

 ここの突出具合ですが、出過ぎていると、トングのクローザーモードの時に嵌まりません。そこの精度にも驚きますよ。



 工具の底に開いている穴に、コネクトピンの飛び出したガイド部を差込み、ガイドを折ります。
 他社工具では、ピン排出穴と共用ですが、この工具の底部には切断用穴は別になっています。


コネクトピンをかしめる
 工具のトングをクローザーモードにして、外側からピンを押す位置で、チェーンをセットして、カンヌキピンで固定させます。

  工具のポイント先端が、コネクトピンの中心に位置するのを確認して、ハンドルを回して、ピンをかしめていきます。

 リンクからピンがわずかに飛び出している状態が正しい状態です。

 普通のチェーン同様に、動きがシブくないかチェックします。
 必要に応じて強制的にたわませて、調整して終了です。