これっ!
君津・砂利山の化石ザトウクジラ
2003年4月、君津市の山砂採取場でクジラの巨大な骨格化石が発見され、新聞やNHKのニュースに取り上げられました。 クジラの各パーツの化石は、けっこうあちこちで見つかっていますが(セツも小学生の頃、肋骨をたまたま見つけたことがありました)、 これだけ大型クジラのまとまった発掘はかなりの久しぶりのことです。 (1916年の昭島市の16mのクジラ以来?) 千葉県立中央博物館のスタッフの方々が発掘チームを組んで、2003年4月20-21日に発掘していました。 TVのニュースに映し出された現場は、1年前に博物館の化石採集会で個人的に訪れたことのある場所だったのです。 化石好きのセツとしては、見逃せない大ゴトです! TV放映の翌日、店を半日サボって行ってきました。 幸い、博物館見学や観察会参加を頻繁にしていたので、顔見知りの先生がいらっしゃったので、色々と解説を聞くことができて、とても勉強になりました。多謝!! このつい2週間前には、小笠原で生きのいいザトウクジラを15mくらいの至近距離で見たので、感激もひとしおでした! |
千葉日報新聞に大きく報道されました。2003/4/21の朝刊です。
木で担架を作って、大きいブロック運びます。 |
発見された化石は、ヒゲクジラ類ナガスクジラ科のザトウクジラの成体で、本来の骨の位置関係を保っているため、死後ほぼ同じ状態のままなようです。
骨格の全長は推定約十五メートル。 上総層群市宿層と呼ばれる地層です。時代は約70万年前ごろの新生代第4期・更新世です。 当時の環境は、水深五十〜二百五十メートルの陸棚に海流のような大きな流れが砂を運び入れて形成されたようなところです。これまでも貝類をはじめ、サメ、カニ、サンゴなどの化石が出ています。 |
もろい部分には、DT78という補強硬化剤を刷毛で塗布しながら、慎重に。 |
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厚いウレタンマットにパーツを並べていきます。 破損した部分は補修、接着をしていきます。 断面に触らなければ、他は撫ぜていいという、優しいお言葉を頂きました。 パーツはエアキャップ(ぷちぷち)で梱包して、次々とトラックに運ばれます。 |
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肋骨の断面部です。 髄の部分がわかります。 | |
産出状況をカメラで記録しながら、作業します。 |
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どこの部分でしょうか? けっこうな塊の骨です。 でも残念ながら、もっと大物の骨は前日に搬出されてしまったそうです。上の新聞内の写真を参照ください。 |
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かなりボリュームの大きなものですね。なんてったってクジラの骨ですから。 市宿層は若い地層なので、岩石ハンマーよりも、スコップや潮干狩りクマデの方が有効です。 |
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まるでメ型のような骨もあるのですね。 |
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記念写真を撮りながら、和気あいあいと発掘作業は進みました。 |
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散らかっていた骨髄を集めて、持っていったら、それはイラナイからと、頂きました。
ありがとう♪ ZENに置いてあるので見に来てね♪ 髄はたくさんあるから、骨の外側だけでいいのだそうです。 |
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この市宿層は大規模なクロスラミナ(斜交層理)が見られます。 これは潮の流れがとても速いところにできる堆積構造なのです。 いわば潮の流れの化石ですね。 |
実はこの場所、1年前に博物館主催の化石採集会で訪れていたところだったのでした。 その時、参加した小学生の兄弟がそろって、クジラの肋骨(アバラ)のパーツと ホホジロザメの歯を採集しました。 2003年のクジラと同じ物かは定かではありません。 |
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ホホジロザメの歯 約3cm クジラの化石にはサメの歯がセットで出ることが多いです。 クジラを食べていたのですね。 でも、2003年に発見されたクジラの周辺にはなかったそうです。 |